私のダンス理論

以下上級者向けコンテンツとなっており非常に長く、社交ダンス初学者の方には難解な内容となっております。ご理解の上お進み下さい。

私のダンス理論のページは
私自身が長年に亘り経験してきた事、研究してきた事を
吉田ダンススクールのホームページを訪問してくださった方々に
少しでもお役に立てたらと思い、公開、開設しています。
しかしながら、各種目の詳細な部分や実際のフィギャーの踊り方については
個々の問題点、個々の技術ランクの違い等、個々の違いがあるために文章での解説は
誤解を招いたりする恐れがあるため、全般的な事を思いのまま記述するにとどめておきます。
したがって一応下段項目に各ページにタイトルをつけて便宜上分類してありますが、
殆どが同じ結論に結びついておりますので、どうかご了承くださいますように。

又、このページに記載されております理論は如何なる理由によらず良心に基づき
転記及び転載されませぬようにお願い申し上げます。

吉田 明人

総論

  ダンスについての私の基本的な考え方は包括的であり、かつ明解でもある。
それは均衡を求める事だ。勿論完全な均衡を求めるのは永遠の夢であり、
複雑にして誠に多面的なものだ。
しかし一枚の木の葉が落ちても大地の力の釣り合いが変わるように、
身体のどの部分も他の部分との連動抜きには動かしようがないと理解
できれば、ある程度正しい均衡に近づくのも不可能ではない。
動きとバランスに対する敏感な感覚が私たちの最終目標であり、
その敏感さの段階には限りがない。それは体の動きを理解するという
単純な問題ではなく、仕組みをも理解しなければならない。すなわち、
身体のあらゆる部分が、他の骨、筋肉、四肢と調和したとき、初めて
最高の動きを示すということである人間にとってダンスを踊るとは
そうした状態をさしており、その過程でダンサーの身体は自己を自覚し、
内面的な調和を感じ取る。
 こうした原則は頭では決して把握できない。感覚を通じ、微妙な
コントロールとバランスに敏感になることを通して把握すべきであり、
それが正しく理解できさえすれば、テクニックは今よりも容易になるだろう。
ダンスにどう取り組むかを感覚的に学べば、さらに微細なレベルへと道は
開ける。身体のさまざまな部分を認識し、それを統合すれば運動の流れは
自由になる筈だ。なにか欠けているものがあれば、動きの妨げとなって
現れるようになるし、それはダンサーにとって障害でしかない。
また叙情的な面での感受性が成長していけば、ダンスに対するこうした
微細な感覚は一層発達して行く。優れたダンサーとしての発見は
アインシュタインのそれとよく似ている。
それは静止したものではなく、たえず動き続けるものだ。それは空間、
速度、時間に無関係ではなく、互いに相対的に関係しあっている。こうした
基本的な考え方は理知的な理論ではなく自然の理である。
万物はその理に従って形作られているし、宇宙についての発見もすべて
自然の理にのっとって行われている。そしてそれが私達を前進させている。

  ダンス固有の特別な難しさ、(例えばゴルフ・テニス・野球等と比べ)
そのために特に要求されるいくつかの点について考えてみる。
ゴルフ・テニス・野球等は自分自身が支点になり目的のものを移動させる
のに比べ、ダンスはまず自分自身が移動しなければならない為不動の
支点が一切存在しない。
(片足を支点にして移動する問題は後述する)自分自身の肉体が流動的な
全身運動と一体となって、その波打つような流れの中であらゆる方向に
動かされるように訓練されるべきであって、末端の筋肉や指関節に至るまで
その動きを伝えるものでなければならない。
そして音楽についての自分自身の思想や感情から生まれる内的な心の波動に、
明確に答えなければならない。 
音楽の表現、瞬間的な調整、最小の目に見えない程内的な動きから、幅広く
掃くような大きなスウィング運動への転換、これらのことを殆どそこに
時間的余裕が許されない種類の動きとして訓練されなければならない

  ダンスとは自分自身の魂の表現であり、音楽の表現であるが、いかに
素晴らしい感覚を持ち、いかに音楽の心をはっきり捉えていようと、そこに
技術の助けが無ければ色彩豊かにいきいきと表現することは出来ない。
(このことは人間がいかに人の事を思っていても言葉、顔の表情、しぐさで
表現しない限り相手に伝わり得ないことと同じであり、私自身苦手とする
分野のため痛感する次第である。)
だが技術とは互いに混ざり合い、重なり合い、分析されるのを拒むばかりか
矛盾しあうことも多々感じざるを得ない場合もあるが、それは過程の感覚
であり又個人の肉体的特質に大いに関係してくるものである。
ダンスに拘る者にとって其の事をよく周知し、個人の肉体的、
心理的感情的特性を見極め、調整する方法を研究することも大切なことである。

  実際の練習では重力力学あるいは律動の原理と肉体(骨格・筋肉・四肢)
とを一つのつながりの中で調和させようと心がける。
水平運動、円運動、円弧運動は基本動作の性質をおびたもので、
惰性慣性を利用して移動のエネルギーとし、かなり複雑な運動を
細部にわたって練習するときも、この単純な基本動作を忘れてはならない。
すなわち、上下の垂直運動では重力に逆らわなくてはならず、前後の
水平運動では流麗さと連続性とが必要とされ、左右の横運動では振り子運動が
維持されなければならない。この三つの平面に沿う運動に
関する感覚を訓練した後、三つの運動を調和させ、互いに混ざり合った形へと
発展させていく。
運動の調和とは上下、前後、左右の一方向だけに限られた運動というもの
はありえない為、他のどちらかへの方向に動くための受動的、又は準備的な
動きを必ず含んでいるものである。
     ★技術の習得には大きく分けて三種類の要素が必要である★

 第一の要素  関節そしてそれを取り巻く各筋肉を必要最大限に柔らかくすること
 第二の要素 弾力性、及びバネの力を増大させること
 第三の要素 力強さ、堅固さをさらに発展させること

 この三つの要素は順序を変えては決して生じ得ない。
 例えば堅固さが弾力の先にきたとすると硬直という悲惨な結果がやってくるだろうし、
 弾力性が柔軟さより先んじたとすると、どこかぎこちなさが残るはずである。
 ダンサーはいつでもこの正しい順序をふむ用意を持たなければならない。

★生は呼吸と共に始まる
 呼吸は総ての活動、総ての音楽的表現にとって欠くべからざる非常に大切なもので
 あるので、練習中常に注意を向けることを心がけなければならない。呼吸は常に滑らかで
 無理があってはならず特殊な場合を除き平静に続けなければならない。練習方法
 しては専門書をひもとけば詳しく記述されているのでここでは省略するが、腹式呼吸を
 用いメロディーを歌いながら練習するのも一つのヒントである。
 良い姿勢と綺麗な姿勢を保って動くために(勿論健康面においても)腹式呼吸を行い、
 呼吸の都度胸の高さを落としてしまってはいけない。何故ならば背中や肩をリラックスさせ
 移動しようとするとき、呼吸によって胸が膨らんだり縮んだりすることによって、身体の
 バランスを崩す原因になるからである。

★目(ダンスにおける目の大切さを再認識させよう)
 目からでている神経繊維の20%は視覚皮質ではなく、脳のバランスを司る部分へ
 繋がっている。
 すなわち目からの視覚情報は内耳の前庭でキャッチした位置情報と脳で結びつき、
 バランス感覚が生まれる。
 このように視覚とバランスは密接な関係があり、身体がバランスを失いかけると、
 脳が指示を出し目からの情報を頼りに身体はバランスを取り戻すことができる。
 頭を極端に動かしてみると、身体のバランスが崩れそうになるのが容易に体験できる。
 但し、女性の美しい、又バランスをとるためへッドワークの練習でめまいを感じたり、
 気分が悪くなると言う現象は、脳をその様な動きに適応させるということにおいて、
 繰り返しの訓練が大切である。
 それは宇宙飛行士の六度ヘッドダウンという、水平に寝た状態から頭を六度落とした状態で
 一日三時間寝るという訓練で、宇宙遊泳に適応させる脳を作る事からも証明される。

★筋肉の方向性
 我々は完全なるバランス、言い換えれば静止したバランスを求めているわけではない。
 正しいバランスを進みたい方向に正しく崩していくことにより、動きのきっかけを作って
 いかなければならない。
 そのためには、目を通して筋肉の方向性を動きたい方向に意識させるようにする。
 そうすることにより意識した筋肉の方向に少しのバランスの崩れが生じ得る。
 試しに両手を真っ直ぐ横に延ばし、両足トウで0のバランスで立ちどちらか一方の
 手を握り締めることにより、容易にバランスの崩れを感じる筈である。
 しかし注意しなければいけない事は、進みたい方向に正Lく崩していく事であり、
 多くのダンサーは目そのものを前進させようとし、バランスと美しい姿勢を崩し
 過ぎる傾向にある事は、いなめない現実である。

★中心(センター)の考え方
 巷にセンターと云う言葉をよく耳にする。センターとは何処に存在するものであろうか。
 私の考えではダンスにおけるセンターは8箇所存在する。
 1)自分自身の縦割りのセンター
 2)パートナーの縦割りのセンター
 3)自分自身の体重分布による横割のセンター
 4)パートナーの体重分布による横割のセンター
 5)組み合っているカップルのセンター
 6)カップルとしての回転軸のセンター
 7)スウィング軸のセンター
 8)身体の各部分を動かすときのセンター
  イ)頭を回転させる時のセンター
  ロ)胸部を回転させる時のセンター
  ハ)腰を回転させる時のセンター
     ニ)脚をスウィングさせる時の脚のスウィング軸のセンターの切り替え
 この8箇所のセンターを絶えず意識し正確に動いていくことで、トラブルのない
 良いダンスを踊ることができる。
この8箇所のセンターの中で一番重要でしかも一番難しいのは
 1)自分自身の縦割りのセンター
 3)自分自身の体重分布による横割のセンターであろう

★演出
 目は口ほどにものを言うという諺にもあるように、顔の表情の中でも最も大切な部分である。
 自分自身で感じた事を目で表現し、鏡で観察することもけっして無駄ではない。
 又積極的に指導者の意見を求める事も必要である。
 顔の表情の大切さは実生活においてもダンサーとしても、もっとも大切な部分のひとつである。
★姿勢
 良い姿勢の根本は、踵から背柱を経て後頭部に至る線を真っ直ぐに引き上げるように
 伸ばす事。 これは我々の身体の各関節が、重力に負けて自然に潰れようとする力に、
 筋肉の力で対抗することを意味する。
 感覚的には頭が上から引っ張られ、その他の部分は下に押し下げるように感じるとよい。

★ダンスにおける諸悪
1、走ること
 何がダンスの邪魔をしているかを考えるとき、この走るという動作を上回る罪は無い。
 これは一種の自殺行為でバランスを崩し、自ら首を締めパートナーにも多大なる
 悪影響を及ぼす。
 一本の足の上をバランスよく身体と他の足が通過していく動作を、両者が根気よく
 練習することのみにより、走ってしまうという罪を逃れられる。
 感覚的には前の音楽を追い掛けるのではなく、後ろから来る音楽にのって踊っていく。
 後退は逆に考えるようにする。

2、練習をしてこない
 レッスンを受けても次のレッスンまでに何の練習もしてこない。
 レッスン中のみダンスをする。それは何故注意されることを出来ないのか
 又どうしたら上手くなれるのかをまったく考えていない証左であり、練習の大切さを
 分かっている人との差が益々開いて行くであろう。
 但し練習とは短絡的に踊ることではなく、上記に記述した技術の習得における
 三種類の要素の訓練が主にならなければならない。

3、相手の事を考えない・相手の意見を聞かない。
 ダンスはまず自分自身が移動しなければならないため不動の支点が
 一切存在しない。
 言い換えれば自分自身を感じ、又観察する場合必ず客観的な立場で
 判断しなければならないと言う事で、常に座標の0地点に立ち戻り
 相手と話し合わなければならない。
 ダンスはカップルとしての表現であり、相手を無視又は軽視しては決して
 上達を望むことが出来ない。

4、バランス感覚・美的感覚・音楽的感覚の欠如
 バランスとは身体のフロア一に対する均等と、身体の各部位の位置及び
 相手とのバランス、そして音楽の取り方等多面にわたり考えなければならない。
 そしてそれは美的感覚とも大いに関係し、常に鏡で自らの身体をチエックし、
 見えない部分は写真ビデオで観察して、必要な取組をしていくべきで、余りにも
 無神経にステップばかりを踏んでいる人達が多い。
 個人としてチェックすべきポイントとしてこの項の最後に記述しておく。

5総評論家
 物を見る目は大切だが評論好きの人達はややもすると井戸端的会話に終始し、
 非生産的である場合が多い。
 評論好きの人達は自分のダンスを研究するより、人の欠点をみっけ、話しの種にして
 楽しんでいる時間の方が長く、又そこに大いに喜びを見出だしている。世界の
 有名チャンピオンと比較してどうのこうのと言い出してしまうと真に始末が悪い。
 或いは嫉妬・嫉みからくる人の批判は最悪であり、ダンスの上達どころか社会的問題
 にまでも発展しかねない。
 最近のダンス人口増加に伴い、太いに反省し自重すべきである。
 人の良い点を見出し、自らの範とすべきであろう。

                     

*身体に影響をおよばさないで頭部を前後左右に倒したり左右を向けるか(頚椎の可動性)
*身体に影響をおよばさないで両腕を全方向に回す事が出来るか(肩関節)
*腰部に影響をおよばさないで胴体を回す事が出来るか (腰関節)
*胴体に影響をおよばさないで腰部を回す事が出来るか (腰関節)
*胴体に影響をおよばさないで脚部を前後に振る事が出来るカ(股関節)
*腰を抜かずに爪先を180度の角度に開く事が出来るか(股関節)

★バランスと美的感覚
 *頭髪の形
 *フェースラインと贅肉。
 *ネックラインと贅肉。
 *肩の位置。
 *肘・手首・指の位置と形。
 *背中のカーブラインと贅肉。
 *ヒップの位置。
 *膝・足首・爪先の位置と向き。

★音楽的感覚
 俗に言う音感とは専門的な音楽理論の知識をさす事ではなく、一般的には次に掲げる
 事項を以て判断する事ができる。
  *簡単な子供の歌又は有名な曲をすぐ口ずさむ事が出来るか。
  *簡単な子供の歌の旋律、又は有名な曲の旋律をすぐ記憶出来るか。
  *簡単なリズムをすぐ口ずさむ事が出来るか。

★適性
 天分という言葉は先天的な能力をさし、言い換えれば天分で決まってしまうと
 結論付けてしまうと、天分が無ければ何も出来ない結果になる。しかしながら、
 自己の欲求に従い数多くの人達が、数多くのパフォーマンスを演じようとしている
 現実の中で、その優劣が生じるのは適性があるかどうかであろう。
 何故ならば適性という言葉には、後天的に適正を養う事ができるという、
 可能性を含んでいるように思われるからである。
 しかしながら.事柄はそう容易ではなく、おのずとある厳しさを伴うのは当然の事である。

*身体面
 まず身体的な条件から見た適性というものがある。
 ダンスとは自分の綺麗な姿勢とバランスを保ちながら動くことであるので上記に
 ※個人としてチェックすべきポイント※として掲げた事項を満たす身体であるか否か、
 或いは努力することにより近付けるか否かそこに身体的な条件から見た適性の在否が
 認められるのは避けられない。

*才能面
才能面での適性についても後天的な努力によ り適性の在否が認められる。
ダンスにおける才能とは
 1)音楽的感覚に優れているか否か
 2)理解力が優れているか否か
 3)協調性があるか否か
 4)熱中できる性格か否か
1)音楽的感覚に優れているか否か
 ※個人としてチェックすべきポイント※の音感についての事項に記した事柄がすぐ
 出来るか。
 もし出来なければ簡単な楽器の練習をすることにより適正を得る事が可能である。
2)理解力が優れているか否か
 理解力という問題は大変難しい命題である。何故ならば説明をする方と受け手の言葉の
 定義・経験・立場・客観・主観という難解な問題が立ちふさがっているからである。
 理解力が悪いといわれている人でも相手が変わり、言葉が変われば良い理解力を
 示す事があるのも事実である。いかに人との出会いが大切かということかもしれない。
3)協調性があるか否か
 これは性格の問題になってくるが、最近では個性的・独創的・創造的な性格が脚光を
 浴びているようだが、決して逸脱型であっはならない。人の意見もよく聞き、
 人との協調性がないと個性的・独創的・創造的な性格も只の頑固者として取り扱われ、
 カップルとしてのハーモニーをかもしだすことは不可能に思われる。
4)熱中・持続・反復ができる性格か否か
 ダンスという芸術性豊かな創造性豊かな事に取組み、その目的を成就するためには、
 熱中・持続・反復の精神がなければ、目的を成就する事は出来ない。しかし後述するが、
 何事も入り込む事が出来ない程の真剣さの中にも、心の余裕と寛容な気持ちを持って、
 物事に取り組む事も又大切なことである。

★教則本・ビデオとどの様に取り組むか・(教則本・ビデオの功罪)
 今やダンス社会おいて数多くの教則本・ビデオ・ダンス雑誌が出回っている。
 時間を作ってはその資料を研究してはいるが、行動が伴わなく、いわゆる頭でっかちになっている人が
 いかに多いか。痩せる方法をおやつを食べながら研究している人が、逆に肥えてしまったというのと
 同類項である。数多くの資料の回りをぐるぐると排徊し、確信に触れる事なく、理解したつもり、
 やってるつもりの人があまりにも多く見受けられる。
 そのうちに今度は、教則本。ビデオの有効な使い方という教則本・ビデオが出回る事も、
 案外冗談事ではなくなるかもしれない。
★あいまいさを認め、あいまいさに親しむ。
 今までダンスに関する考えを記述してきたが、ダンスとは物理・科学・分析といった考え方で
 総て結論付けられるものではない。人を魅了するには理屈どうりに踊っても駄目である。
 ある程度の融通性と、時には崩れ・遊びが返って大きな魅力になるものだと思う。
 人間が真剣に踊り、表現しようとする姿がそこに見えてこそ大衆の共感を生むものである。
 ☆☆☆☆☆アクティブに、より情熱的に、より大きく☆☆☆☆☆
 ☆☆☆☆☆ しかし、よりエレガントに、より静かに ☆☆☆☆☆
           

ダンスにおける身体意識

   ダンスを踊ると言うことは、自分の身体を自分の判断と意志で目的をもって動かすと言うこと。
しかしその考え方で果たして人が感動する動きが出来るであろうか。その答えは否である。
何故ならば人は誕生から成長していくなかで、生活習慣や環境習慣だけで現在の自分が出来
上がっていて、その中の自分の判断と意志ということになる。その中には身体の仕組み、
(骨格の仕組み、筋肉の仕組み、重力の仕組み)を理解していない動きが大半をしめているに違いない。生活習慣や環境習慣だけの動きというのは、大抵の場合表面筋の筋肉運動に留まり、骨に捩れるように付着し、関節を直接動かしている深部の筋肉郡の収縮運動が行われていない。
 その深部の筋肉郡の収縮と連動、そしてその動きをどれだけ感覚として自覚できるか、
つまりどれだけ自分の能力を客観的に観察し、客観的に判断し、客観的に取り組むことが出来るかが鍵となってくる。では何故それが出来にくいのであろうか。それは自分自身の頭の中の固定観念、傲慢さや理解能力、感受性、と云った内なるものの原因がすべてであろう。
 自分のダンスを変えるには(勿論良い方に)、独りよがりで自分なりの解釈しか出来ない現在の自分を完全否定してしまうことから始め、本質的に人間の仕組みからスタートしその道筋にそって取り組んでいかなければならない。
 最初の一歩での動きから、人間の仕組みを理解し、身体内の深部の動きを意識し、最高級難度の技術を身につけていくようにしないと、目的のない練習、「自分自身は何処に向かって練習しているのか、なにをしたいのか」が明確でない言わば、その位置から一歩も前進できないダンサーに終わってしまうであろう。初心に戻り、その段階からどれだけ自分自身を教育していけるかが、どれだけ成長していけるかと正比例して行く。
 具体的にはまず良い形、言われているような形が出来ていない。
 まずそれを認めなければならない。その原因は外にあるのではなく、内にあることを、認める。
 それでは何故そうならないかを、考えてみる。それも徹底的に。
 例として、「私はいかり肩だから」と言う人。これは明らかに逃げであり原因を考えていない。
 人の仕組みの中では、なで肩、いかり肩はその人の内なる原因でそうなるもので、生まれつきと言うのは存在しないものである。いかり肩はいかり肩になる原因が内に必ず存在する。
ホールドの形が綺麗でない、これも内なる原因でそうなっている。
 CBMPのポジションが取れない、CBMPのポジションをとると身体のセンターが前に倒れる、後ろに倒れる、左に倒れる、右に倒れる。これもすべて内なる、深部の筋肉郡の仕業であることを、理解さえすれば(もっともそうなってしまっていることを、自分が認めた上でのこと)自分は今から何をすべきかは、明白の理ではなかろうか。と言うことは、出来るを目指すのではなく、まず「出来ないことが分かる」「出来ない自分を知る」ことが肝要になってくる。

 そうなることにより自分は今何をすべきなのかが、自然にわかるようになる。「自分自身は何処に向かって練習しているのか、なにをしたいのか」というテーマに向かって前進が可能になる。
前述した『現在の自分を完全否定してしまうことから始め、本質的に人間の仕組みからスタートしその道筋にそって取り組んでいく』ということが、よく理解出来るものと思う。
 歴代の、又現在のチャンピオン達のダンスと我々凡人(私も含めて)のダンスは、何処が違うのでしょう。私達と身体の構造が違うのでしょうか、私達と筋肉が違うのでしょうか。いやそうでは無い筈です。同じ人体構造、骨格、筋肉を持っている筈です。それならば何故に違うのか。
 それは同じ構造を持った身体をいかに操作したか、操作しているかだけであろう。
 総論にも書いたが人間が小指一本を動かしてもバランスが崩れる。そのバランスを取るために、206本の骨と500からの筋肉を使う。
 即ち小指一本を動かすのも全身運動である事をよく理解しなければならない。殆どの場合そのことを実感しようとしていないので、部分的な運動をしようとしてしまう。
 肉体の特定の部分にだけ緊張や意識がはたらいては良いダンスは生まれない。
 総てが関連し連動して動かなければいけない。自分が動きたい方向に自分の身体全体を構造的に使っていく。

個人のセンターについて

ダンス理論の冒頭にも申し上げたように、総ては均衡を求めることであり、動きとバランスに対する
敏感な感覚を養わなければなりません。
ではバランスとはどんなものでしょうか。
もう何十年も前から言われていることですが、西欧のトップダンサーが口を揃えて日本人ダンサー
についての評価をしてきました。「日本人は誰もフロアーに立っていない」と
私自身「皆なフロアーに立っているじゃないか、どうしてそういう事を云うのだろう」と心の中で
反発し又判らずじまいで長年競技生活を送っていましたが、どうしても壁にぶつかってしまい、
又外人のレッスンを受けるとまったく動けなくなったりして大変悩みました。
自分の疑問をお医者さんに聞いたり大学の解剖学の先生に聞いたり、又宇宙の本、ヨーガの本、
空手、剣道、合気道、太極拳その他体に対しての解説書を読みあさり、自分なりに体のセンター
とは、バランスとは、という問題に取り組みました。
その結果、理論的には如何に自分自身がわかっていなかったか、誤解していたかを知らされ
身につまされる思いを致しました。
人間はその昔四足から立ち上がり二本足歩行へと進化してきたのは、ご存知の通りです。
体重を背骨と背筋で支え四足で自由に動く動物から、地球に真っ直ぐに立ち腹筋と背筋が
平均に発達し地軸に対し真っ直ぐにバランスを取ることにより、移動する人へと進化してきました。
もはやそのような事は今や常識的な知識として、ダンスの世界では知られている知識です。
でもそれを本当に身体で実践出来ている人は何パーセントいるでしょうか?
自分をも含めて殆どの人は体験できてはいないと想像します。
でも少しずつでも完全なるセンターに向かって努力すべきだし、ダンスに関係なく人はあらゆる
緊張から開放され、宇宙と一体となるべく生きていくものではないでしょうか。
ダンスに限って話を進めて行きたいと思いますが、地球の重力を利用しそのエネルギーを動く
パワーに変えていくには、筋肉の強さより筋肉の柔らかさを要求されます。
本文で★技術の習得には大きく分けて三種類の要素が必要である★と記述致しておりますが
センターを作ることは即ち、その第一の要素『関節そしてそれを取り巻く総ての各筋肉を必要
最大限に柔らかくする』しか方法がなく、如何にそれを意識し、自分の意識下のもとで力ではなく,
意識だけで身体の細部にわたる各部を動かすことが出来ることなくして、センターは作りえないと
思います。其の時初めて天空を感じ、地軸を感じ、地球の重力に逆らわずセンターを立ち上げる
ことが可能になるのです。
実際の方法として、身体の表面の所謂手で触ることが出来る筋肉は、マッサージなり簡単な
柔軟体操で柔らかくなりますが、手の届かない体の深部の筋肉は、そのような方法では緊張を
とき解くことは出来ません。
その手の届かない体の深部の筋肉こそが、身体の自由な動きを阻害し、バランスを崩す原因なのです。
まずそのことをよく理解し、常に練習している時もまたそうでない時も、常に自分の肉体に関心を持ち、
意識を集中して、頭骸骨から足の指先に至るまで206本の骨を感じ、それを自分の思い通りに
動かせるようにトレーニングしなければなりません。そうすることにより、より自分の身体が感じられ
思い通りのイメージに正確に表現出来るようになっていきます。
自分自身のセンターを感じることも、相手とのセンターを感じることも、もっと広げて云うとダンスに
おいて要求されること総てが出来てしまうのです。
一言にまとめてしまうと『自分自身の肉体を知れ』ということに他なりません。

カップルとして

ダンスとは相手とフロアーとの関係、つまり自分を含めて3つの関係性で安定を作り出す。
だから自分が単独で安定した姿勢をとり、動くということは間違っている。
それは相手と関係した時不安定になってしまい、さらに自分自身でバランスを作り出さなければならなく
なってくる。つまり相手とフロアーと自分自身の動きという3点の構造を認識し身体運動をおこす。
常に相手との兼ね合いを考えて動くと言うのが条件であって、単独で動くことではない。
勿論、自分自身で動くことが出来なければいけないのは当然のことではあるが、相手との関連を考えた
動きが出来なければ、それは自己満足の世界であり迷惑を掛けるだけである。
相手とフロアーと自分の3者の安定した動きと言うのは、具体的には常にフロアーに対して二人が殆ど同時に、
下降のスパイラル曲線の一部と上昇のスパイラル曲線の一部を描きながら動かなければならない。
その方法は3通り考えられる。
1) 片方の足を軸として膝を原動力として
2) 腰を原動力として
3) 上半身を原動力として
勿論これら3通りの使い方をするのであるが、大半の場合身体が連動して動きコンビネーションしていくべき
である。そしてその為に一番大切な部分は足である。それは地面に対しいつも全身を支えているのは足であり
総ての動きは足が関係しているからだ。足から全身を考えることが「合理的な全身運動に」繋がっていく。
足のうらを柔らかく使いそれを出発点として頭に向かって徐々に連動した動きをしながら、動きを作っていく
時にのみ下降のスパイラル曲線と上昇のスパイラル曲線を描きながら動くことが可能になってくる。
当然のことながら、両足そのものをいかにコントロール出来る能力を有するかが鍵となる。
その為には股関節の緩みや、足の裏側、内側の柔らかさが大切になってくる。
そうでなければ、筋肉を固め、力を入れることにより足を動かそうとしてしまい、いわゆる止まった動き、
ギクシャクした動きにならざるをえない。足は常に片方の足の屈伸が原動力となり、もう一方の足が振り込
まれていくべきで決して振り込む足を緊張させたり、原動力にしてはならない。
このことは技術的なことであり、ダンスとは音楽があり、踊りたいという気持ち、こう表現したいという欲望
で成り立つ。つまりボディーがこう動きたいという目的の為に足裏からの連動した動作が必要になってくる。
ボディーがこう動きたいと云う感覚が先にくるものであって、技術を先に考えると自然なバランスのとれた動きは
出来ない。その感覚と言うのは常にハートである胸部のリードにより行われるものであり、肉体的な足の裏から
行われるものではない。それはぎこちなさと、堅さを生む原因にもなってしまう。
腰は常に胸部と足の中間地点に位置し、身体の連動の要となっている。
足の動作を上半身に滑らかに伝え、また上半身の動きを滑らかに下半身に伝え、踊っていく方向をリードして
いく役割を果たす。上半身は胸部と腹部に分けられる。胸部と腰の間には腹部という骨の存在しない部分
(背骨は勿論あるが)がある。それを自在継手(ユニバーサルジョイント)として使い、引っかかりのないスムーズで柔らかい身体の動きを可能にする。そしてそのユニバーサルジョイントを中心に、360度に対して常に対角線を
逆方向に動かし、常に相手が自分をいなせる方向に進んでいくこと。
決して相手の中心に向かって動いてはいけない。それは相撲とか格闘技の世界であり相手を押す結果になり、
もし相手を押し込んでいかなければいけないときは相手の中心に向かって、自分の体重を掛けていけばよい。
しかしダンスにおいては相手のバランスを崩さないようにしなければならないので、自分自身の体重は常に相手の
右サイドか左サイドを抜けていく方向に働かなければいけないことになる筈である。その為にCBM・ショルダー
(サイド)リード・CBMPという技術用語で説明されている。このテクニックを正確に使うことにより素晴らしい
バランスと動きとラインを手に入れることが出来る。
ホールドの緊張一つをとっても、もし相手を掴んでしまったら自分も相手も身動きが出来ない状態におちいる。
掴むという動作は手の握力を使い、腕の筋肉を緊張させることになる。
手や腕を緊張させることで、相手の微妙な動きを察知出来ない。相手の柔らかく微妙な動きの変化に気がつかない。また固めてしまっているから手や腕の神経を圧迫し受信器官としての手や腕が正常に機能しない。お互いの力の
押し付けが、又相手や自分のバランスを崩してしまう。また緊張がいけないのなら力をぬけばいいのか。
それは大きな誤解を招く結果になる。力をぬく練習はしなければならないが、実際は力をぬくのではなく、
『必要最小限度の力と緊張』を『必要な部位』に入れるという事を理解しなければならない。最近よく脱力という言葉が聞かれるが本当に脱力してしまうと、見るに耐えないダンスになってしまうし、一番大袈裟にいうとフロ
アーに崩れ落ちてしまう。不必要なところを脱力し、必要なところは必要な時に必要なだけ緊張しておかなければならない。(形が悪い、上手く動けない、ぎこちないというのは殆どの場合不必要なところに力を入れて、必要な
ところに力が入っていない)加えて、目に見える部分は目に見えない部分によって支えられている事実を知るべきであり、目に見えない部分の方が大切である事を感じなければならない。つまり、肉体は骨格によって支えられており、その骨格を動かすために筋肉郡があるのだから、この骨格を効率よく立体的に使うためには、筋肉を緩める
部分と緊張する部分をどれだけ緩めるかどれだけ緊張させるかを自分自身が理解し、意識し、練習する必要がある。両足の関係、方向、膝の曲げ方、骨盤の位置、胸部の位置、頭と背骨の関係、相手との位置関係、力の方向、力の量等を、自分の意識のある意志で自由に連動させて動かせるようにしてこそ、合理的な無駄な力みの見えない二人の動きを作ることが出来る。各々がバランスを持ち柔らかな動作をすることでこの事が可能になるが、ここで問題になるのがダンスは一人ではないということだ。これらの事を二人が同じレベルで出来なければ意味がない。巷に言われる1+1=0.1・1+1=0.5 ・ 1+1=1・ 1+1=2 ・1+1=3・ 1+1=4 という計算式がそこに成り立つ。二人で踊るダンスではこの計算式はすべて正しく、二人の違うレベルが合体した時の各種の結果である。
しかしながらダンスとは只単に、良い動きをすれば良いと云う単純な問題では解決しない多くのファクターが、
大きく立ふさがっているのも事実である。より美しくシェイプされた肉体を作り上げ、頭からつま先に至るまで常に最高の状態を保つように日々努力されるべきで、その努力がない処にダンス理論は無意味な存在となってしまう。実際に踊る踊らないにかかわらず、理論と実践は平行してあるべきである。
理論の受け売りだけの羅列は人にすぐ見破られ、理解できないままに終わってしまうであろう

スパイラルについて

ここで云う説明はあくまでも肉体操作と感覚を養うメソッドであり、そのままがダンスの形ということではない。
上半身のねじれがない運動とは、あらゆるセンターのない運動となり、見るに耐えない動きとなる。
人間の自然な身体の動きは常にスパイラルな動きでダンスも例外ではないし、特に二人が組み合って動く時には
不可欠な要素の一つである。
もっと大きく言えばこの宇宙に存在するもの総てがスパイラルであるし、身体を構成しているDNAもスパイラルだし宇宙もまたスパイラルな動きをしていると考えられる。
上半身がねじれる、つまり腹筋と背筋を緩めることで、上半身をねじる事が出来る。
そこには複雑な内部の動きが伴うが、単純にお臍を動かさないで上半身を動かす練習をする。
つまり骨盤と肋骨、肋骨と肋骨の間、そしてお腹の骨のない部分を柔らかくし骨盤と肋骨を身体の
センターを意識し、ぶらさないようにねじる練習をする。これまで幾多の人々にさせてきたが、
肋骨ではなしに肩甲骨だけを動かしてしまう人、ひどい時は肩の骨だけしか動かせない人がほとんどで
あった。一番ひどいのは腕しか動かない人もいるのが現実である。
同じ練習でもそれではいくらしても無意味である。
効果的な練習とは、頭頂部の真中から両足の間に落ちる身体のセンターをぶらさないで、量は少しでも良いから
正確に骨盤と肋骨をねじれさす練習を根気強くしなければならない。
前述したがこれはメソッドであり、実際には頭から足先までのセンターを通った動きが、二人のセンターを中心に
スパイラルな動きを実現させるためのものであり、腹部のところでスパイラルが阻止され、センターを崩してしまう人が殆どをしめている。また柔らかすぎて腹部だけが過度にねじれてしまう事もセンターを崩してしまう原因になっている人達もいる。
前述した自在継手を腹部に持つと言うことは、センターのある捩れと前後左右への身体の柔らかさがそれを可能に
する。これも自分の意識で身体を正確に動かし、自分の意識で必要な分量にとどめる。
いわゆる、身体の意識に他ならない。出来ない人も、出来る人も自分の身体をよく知り、それなりの対処をして
いかなければならない。

パワーとは

重みによる力は筋力をはるかに超える巨大な力が、ダンスでいうところのパワーとなり得る力です。
筋肉による力に頼っている間は『本当の意味のパワー』は出てきません。
人間にとって合理的で自然なパワーは、重力に適応することで発揮される重みから生まれるという事です。
ダンスにおいて重力をパワーに転換するには、身体の重みを圧力として使用することです。
重力と協調したダンスを踊るため重心を運動に最も適応した位置に移動させ、身体のスウェイ、
ターン、CBM、CBMP等を調整しながら身体全体に作用している重さを、支点に集約し、圧力をかけていきます。
しかし自分の体重がイコール圧力にはなりません。
何故ならば筋収縮が大きいほど圧力は軽くなってしまうからです。
そこで筋収縮をなるべく少なくしてあげることで、より圧力が増しパワーが出てきます。
それではより筋収縮を小さくする為にはどうすれば良いかという問題が生じてきます。
筋収縮には大きく分けて二つの原因があります。
一つは自らパワーを出そうとして力をいれて踊ってしまう時、一つは自分をアピールしたい、認められたい、
注目されたい、勝ちたいと言う、いわゆる自己顕示欲によって無意識下の下で力が入ってしまっているときです。
この二つの原因で本来人間として持っている能力を自ら阻害していると言えるでしょう。
人間には外から足さなければいけないことは何も無く、自分自身の内部に総てが完璧に備わっているものなのです。その備わっている能力を出せるか出せないかはその人自身の考え方の問題であって、決して生まれながらの能力の問題ではありません。
自分を信じ切り自分に備わっている能力を引き出せるように努力することにより、自分では今まで
気が付かなかった能力が出てくるものだと思います。
それはどう取り組んできたのか、どのように取り組んでいくのか。にかかっているのです。
より大きなパワーを生めるか生めないかは、体重を武器に出来るか出来ないかにかかってくるし、
その差は自分の肉体に対する感覚の差にあり、どれだけ精密に自分の肉体を操作できるか、その鍵である感覚を
どれだけ研ぎ澄ますことができるか、又どれだけそれを維持できるか、維持とは曲全体という意味と年齢的な意味を含み、体力で踊るのではなく技術で踊れということに繋がる。体格差や年齢差を超越した動きがそこに見えてくる。

名コーチャー語録

私達が今までに出会ったコーチャー・選手達の心に残る言葉をまとめてみました。
これらは私の大きな財産ではありますが、少しでも皆様の参考になればと思います。
                                        吉田明人・静香
★故丸山梅雄氏(元全日本チャンピオン)
   〇常に体重が乗っている足の上に肩を乗せておくこと。
   〇前に振り込む足が遅れないように。
   〇常に三コーラスの音楽で練習しなさい。
   〇前バランスを保って。

★故丸山田鶴子女史(梅雄氏と共に元全日本チャンピオン)
   〇踊りに花を咲かせなさい
   〇ウエートを行きたい方向に一瞬傾ける。
   〇自分の使っているステップに愛情を持って大切に。
   〇ダンスの他のものをダンスに役立たせなさい。
   〇ストレッチ運動を絶えずやること。

★故田中 忠氏(元全日本チャンピオン)
   〇オーケストラの音楽が自分の背中を押してくれるイメージで踊りなさい。
   〇砂山の砂を手で山を作るように、自分の足の上にバランスを作りなさい。

★田中節子女史(忠氏と共に元全日本チャンピオン)
   〇私が動きたくなるようなリードをして下さい。そうでなければ動きません。
   〇人の話を聞くとき、その人の言葉の定義と自分の定義があっているか確認しなさい。

★鳥居弘忠氏(元10ダンス世界チャンピオン)
   〇納得のいくまで、朝まででも練習したものだ。
   〇ロンドンの公園で夜滑り台を利用して脚を鍛えた。

★毛塚鉄夫氏(元全日本チャンピオン)
   〇男性が正しいウエートチェンジと正しい軌道上を動くことが、正しいリードにつながる。
   〇女性をおすのではなく中に感じなさい。

★中川 勲氏(元全日本チャンピオン)
   〇人間の総ての行動は脳の命令の結果である。
     ダンスにおいても正しく理解しなければならない。
   〇脚を使うということを誤解している人が多すぎる。
   〇人を見上げるのではなく見下ろすような気持ちで踊りなさい。
   〇ボディーが動いた下に足を置きなさい。

★桜本和夫氏(元全日本チャンピオン)
   〇いつもウエートを前に前にもっていきなさい。
   〇腰の傾きが逆にならないように注意すること
   〇女性は男性がどちらの足に体重があるかを感じ取りなさい。

★桜田哲也氏(元全日本チャンピオン)
   〇背骨は背中についているものである。
   〇人の言葉ではなく自分の感覚で覚えなさい

★鈴木美代子(桜田哲也氏と共に元全日本チャンピオン)
   〇体力的には男性がベンツなら女性は自転車である。
     自転車はベンツに遅れをとらないように一生懸命努力すべきである。

★ドーリン・フリーマン女史(故Mr,ボブ・バージェスと共に全英選手権2位)
   〇別々のウエートではなく、ブレンドされたものを感じなさい。
   〇体力で踊るのではない。ブレインで踊るものだ。
   〇飛行機が一瞬着地して再び離陸していくイメージを持ちなさい。

★Mr,ビル・アービン(元世界チャンピオン)
   〇頭にお皿を乗せても落ちないぐらい頭を静かに。
   〇リーディングフットのつま先はフロワーに置いたコインだけを蹴って前に出しなさい。
   ○アップはボディー及び太ももの筋肉でするのではなく、ふくらはぎの筋肉を使う。。

★Mrs,ボビー・アービン(Mr,ビル・アービンと共に元世界チャンピオン)
   〇女性のために
    見られないように 聞かれないように。見られるように 感じられるように。
    感じられるように 聞かれないように。見られるように 見せびらかさないように。
    動きのあるように 動き去らないように。
    活動的だが活性化(無生物が活動させられる事)ではなく
     トーンだが 張り詰めないで。
     勢いは受けるほうで 与えるのではなく。
     パートナーのバランスに影響しないで 自らバランスを保てるように。
     ボタンのように取り付けられているのではなく フィットするように。

★Mr,アンソニィー・ハーレー(元世界チャンピオン)
   〇腰から頭までは常に伸ばし、長く保っておかなければならない。
   〇ロワーは腰を折るのではなく腰の位置を前に下げること。

★Mrs,フェイ・ハーレー(Mr,アンソニィー・ハーレーと共に元世界チャンピオン)
   〇女性は背骨のカーブする一番良いポイントを見つけ、そこに大きなスカーフを
          男性の背中に巻きながら踊るイメージを持ちなさい。
     
★Mr,ピーター・イグルトン(元世界チャンピオン)
   〇サポーティングフットを通過するリーディングフットの膝はサポーティングフットの
     膝より高くなければならない。
   〇次のスウィングの用意を早く行う。
   〇ボディーは常に前に感じて。

★故Mr,ソニー・ビニック(元世界チャンピオン)
   〇身体の中で一番よく動くところは手先と足先である。
     一番動かないところは身体のセンターである。

★Mr,リチャード・グリーブ
   〇男性の右腕は女性に属している。女性の右腕は男性に属している。
     お互いの左腕は自分自身の責任である。
   〇左サイドを前に出すときは右を引くようにしなさい。
   〇ヒップのパワーで動きなさい。
   〇全てをもっと深く感じなさい。

★Mr,マイケル・バー
      〇全にもっと神経質になりなさい。
   〇動き出すときは一度逆の方向に感じてから動き出す。